66ページに進みましょう。使役動詞です。知覚動詞のように目的語のあと、現在分詞や過去分詞がきます。
テキストの例文を見てください。5つあります。
そのうち現在分詞が2つあって、その例文にはもう日本語訳がついています。
これがどういうことかというと、使役動詞で現在分詞がくるパターンというのが少ないのです。しかも、それが原因かどうかわかりませんが、使役動詞+目的語のあとに現在分詞がくると理解しているとできない問題をたまに見かけるのです。かといって、現在分詞はこないと覚えてしまうと、そこの例文2つが出題された場合間違います。
それじゃ、どうすりゃいいのよって言われるので結論を出しましょう。
基本的には「現在分詞はこない」と覚えちゃっていいです。ただし、この例文2つだけは頭の片隅に入れておいてください。だから日本語訳を最初からつけて特別扱いしています。
実はこのあと、(g)で現在分詞がくるパターンの特徴を説明します。それを理解するとある程度は納得できると思います。
それでは、残り3つの例文の日本語訳をしましょう。
使役動詞のhaveは「~してもらう」、2番目は「被害」として訳してください。最後のmakeは「~させる」でいいです。ちょっと訳しづらいのですが、よく出るのでしっかり勉強しましょう。
最初の例文は、「私は(私の)荷物を運んでもらった」 「(私の)荷物」は「運ばれる」という「受け身の関係」です。だから過去分詞です。
二番目の例文は、「私は(私の)財布を盗まれた」 「(私の)財布」は「盗まれる」という「受け身の関係」です。だから過去分詞です。
この例文は、よく並べ替えで主題されて間違うことが多いです。多くの生徒は、I had stolen my wallet.としてしまいます。完了形の<had+過去分詞>という形をなかなか崩せないんですね。ここは、hadのあと過去分詞をぐっとこらえて目的語(my wallet)を入れられるかが勝負です。
I had stolen my wallet.としてしまうと「私が私の財布を盗んだ」ことになってしまいます。
ちなみに英文としては、My wallet was stolen.なら「財布が盗まれた」という意味になりますが、よくある間違いとしてI was stolen my wallet.というのも多いです。これだと「私が盗まれた」になり、なおかつmy walletがなぜそこにあるのか意味がわからない感じになります。
ネイティブは目的語の有無にとても敏感で、目的語が必要なのに無いときや必要ないときに目的語があるときに違和感をもつようです。実はこの「感覚」を持つと文法問題をあっさり解けることが多いんです。ものすごく速く文法問題の正解を導く生徒(私はこういう生徒を「英語マシーン」と呼んでいます)は、教えなくてもこの「感覚」を身につけています。
今回の間違っている英文I was stolen my wallet.の例で言うと、受け身で目的語は主語になっているはずなのにまだmy walletがそこ(目的語っぽい位置)にあることに違和感をもつクセをつければいいのです(目的語が二つある文の受動態なら可能性はありますが、そういう動詞ではないことも検討している前提です)。
まぁ、言うほど簡単ではないのは認めます。だから「英語マシーン」は少ないんです。私は何十年もこの仕事していますが、数人しかいません。
最後の例文に進みます。直訳からいきます。「あなたはあなた自身を英語で理解させることができますか」 要はどういうことかわかりますか?「あなたの英語は通じますか」ってことです。
「あなた自身」は「理解される」という「受け身の関係」だから過去分詞です。(「あなた自身」は「理解する」こともできるのですが、先ほどのネイティブの「感覚」でいうと「理解する」なら「何を」の部分、つまり目的語が必要なんです。無いなら「受け身の関係」になっているはずだと考えられるのです)
ちなみにこれは今後何度も英文法の問題で出るでしょう。make oneself(~self)ときたら過去分詞入れておきましょう。もっと言うと、今回のunderstoodかhearの過去分詞heardが出題されます。反射的に選んじゃっていいです。
(参考)を見てください。不定詞や先ほどの知覚動詞のところでも勉強しましたが、使役動詞も目的語の後、分詞だけでなく原形不定詞もきます。2つの例文の日本語訳をしましょう。
haveもgetも「~してもらう」と訳しましょう。
最初の例文、「私はトムにテレビを修理してもらった」
二番目の例文も同じ訳です。使役動詞のgetは目的語の後、to不定詞になりますから気をつけてください。
ここで、使役動詞をまとめます。
目的語とその後の単語(補語)との間に「主語+動詞の関係」がある場合。
<使役動詞make、have、let + 目的語 + 原形不定詞>
<使役動詞get + 目的語 + to不定詞>
使役動詞make、have、getに関しては目的語のあと現在分詞もくるけど、数が少ないので頭の片隅でいいですよ。
目的語とその後の単語(補語)との間に「受け身の関係」がある場合。
<使役動詞make、have、get + 目的語 + 過去分詞>
ついでに知覚動詞もまとめます。
目的語とその後の単語(補語)との間に「主語+動詞の関係」がある場合。
<知覚動詞see、here、feelなど + 目的語 + 原形不定詞>
<知覚動詞see、here、feelなど + 目的語 + 現在分詞>
目的語とその後の単語(補語)との間に「受け身の関係」がある場合。
<知覚動詞see、here、feelなど + 目的語 + 過去分詞>
使役動詞と知覚動詞を一気にまとめたので確認しておいてください。