(e)に進みます。知覚動詞です。不定詞のところで少し勉強しましたね。see、hear、feelなどを知覚動詞と呼びます。見たり、聞いたりという外界からの刺激を受け取るたぐいの動詞です。
この動詞の後に目的語がきて、その後に現在分詞や過去分詞が補語として続きます。
e-1とe-2を見てください。現在分詞の例文と過去分詞の例文があります。( )がありませんが、日本語訳しましょう。
目的語にあたる言葉が後に続く分詞の意味上の主語なので「Oが~するのを聞く」とか「Oが~されるのを聞く」のように訳してください。loudは「大きな」という意味ですよ。
e-1は、「私たちはその車が大きな音を立てて走っているのを聞いた」 「大きな音(騒音)とともに走っている」と訳してもいいです。「その車」が「走っている」という「主語+動詞の関係」があるので現在分詞を使います。
e-2は、「私たちは彼の名前が呼ばれるのを聞いた」 「彼の名前」は「呼ぶ」という「主語+動詞の関係」ではなく、「彼の名前」は「呼ばれる」という「受け身の関係」です。だから現在分詞ではなく過去分詞なんです。
(参考)を見てください。テキストには(⇒不定詞P.54 f-3)と書いていますが、f-2の間違いです。訂正しておいてください。
テキストの54ページ不定詞f-2で勉強したように目的語のあと、原形不定詞もきます。それがe-3の例文です。e-1と似ていますね。日本語訳もほとんど変わりません。「私たちはその車が大きな音を立てて走るのを聞いた」
「その車」が「走る」という「主語+動詞の関係」があるので原形不定詞を使いましたね。
現在分詞を使った例文と原形不定詞の例文では訳もほとんど変わりませんが、現在分詞の方は「一瞬」「ちょっと」だけ見たり、聞いたりした時に使い、現在分詞の方はそれより長く見たり、聞いたりした場合に使うという微妙な違いはあります。それでもそんな微妙なニュアンスをペーパーテストでは表現しきれないので問題にされません。気にしなくていいです。
ですから、知覚動詞のあと、目的語とそのあとの単語が「主語+動詞の関係」であれば、その単語は「原形不定詞」か「現在分詞」。「受け身の関係」であれば、その単語は「過去分詞」と理解しておきましょう。
次の(注意)を見てください。受動態(受け身)にする時は分詞はそのままにすると書いてあります。テキスト43ページの知覚動詞や使役動詞の受動態で勉強しました。
そこでは「分詞はそのまま」とは書いていません。「原形不定詞をto不定詞にする」と書いてあります。そしてそれ以外はそのままなんです。だから結果的に「分詞はそのまま」なんです。
あまり余計なことは覚えない方がいいので気をつけてください。最小の努力で最大の結果を得るのが賢い人間のやることです。みなさんはこんな受験勉強なんてさっさとクリアして、もっと大事な勉強、研究、仕事のために時間を、人生をかけてください。それが私の願いです。
3つ例文があります。
最初がe-1の受動態です。目的語(the car)を主語にして、be助動詞+メインの動詞(heard)の過去分詞、残りはそのままなので現在分詞(running)はそのままですし、それ以降の単語もそのままです。最後にbyをつけて元の文の主語(we)をつけるのですが、その動作主が重要でないなら省略してもいいので( )になっています。
いや、そもそも受動態の文の8割以上は「by動作主」を省略していると言われています。日本語もそうですが、言葉はどんどん省略され簡略化されていきます。そもそもダルいから省略するってのもあるかもしれませんが、話の論点がブレてしまうので余計なことは省略するというケースもあるでしょう。
みなさんも思い当たる節があると思いますが、話の長い人ってたくさん話すので結局何が一番言いたかったかわからないなんてことがあります。きちんと伝えたいことがある場合は、それ以外のことを極力言わず論点を絞って話すといいですね。
二番目の例文は、e-2の受動態です。目的語(his name)を主語にして、be助動詞+メインの動詞(heard)の過去分詞、残りはそのままなので過去分詞(called)はそのままですし、それ以降の単語もそのままです。最後にbyをつけて元の文の主語(we)ですが、省略可能です。
三番目の例文に進みましょう。e-3の受動態です。目的語(the car)を主語にして、be助動詞+メインの動詞(heard)の過去分詞。次が原形不定詞なのでto不定詞(to run)に変えます。それ以降の単語はそのままです。最後にbyをつけて元の文の主語(we)はもちろん省略可能です。