(注意)に進みましょう。P.58の(注意)と同じで、なかなかうまく説明がつかなかったり、誤解が生まれやすかったりするので「(注意)してください」という意味です。
最初は、refuseです。「断る」とか「拒否する」という意味です。
目的語に不定詞をとる動詞は、不定詞の「未来イメージ」もあいまって比較的明るく、前向きな動詞が多いです。「希望する」「期待する」「願う」などはそうですね。
しかし今回のrefuseは、あまり良い意味とは言えません。ネガティブな動詞は動名詞を目的語にとる傾向が強いというお話は前にしましたね。「ネガティブ動名詞」です。「否定する」「延期する」「あきらめる」「避ける」「気にする」「逃す」などはそうでした。
本来ならネガティブな動詞は動名詞を目的語にとってくれれば例外にならずに済んだのですが、まぁ仕方ありません。
同じような意味をもつdeny(「否定する」)は動名詞を目的語にとりますが、refuseは不定詞を目的語にとります。この2つの決定的な違いを考えてみると、そこまで例外的とは思わないかもしれません。
denyが否定することは、現在と過去のことです。一方、refuseが断ることは未来のことです。
こう考えるとdenyが動名詞を目的語にとり、refuseが不定詞を目的語にとることは自然だとわかるでしょう。
最初の例文の日本語訳をしましょう。
go thereは「そこへ行く」ですね。go to thereとは言えません。to「~へ」が前置詞で、there「そこへ」は副詞です。前置詞の後は名詞と勉強しました。だからgo to thereとは言えません。
日本語訳してもgo to thereは、「『そこへ』『へ』行く」となっておかしいです。
私は中学2年生の時に英語のテストでgo to thereと書いて×をもらい、当時理由がわからなかったので答案返却の時に先生に質問に行ったのですが、「どうしても×」と言っただけで理由を教えてくれませんでした。それ以来、一生懸命勉強しています。ある意味「先生、ありがとうございます」です。みなさん、ちなみに理由は上記の通りです。
日本語訳を続けてください。
「マイクはそこへ行くのを断った」 「マイクはそこへ行くことを拒否した」でもいいです。
次はpretendです。「~のふりをする」という意味です。「偽る」という意味では、この動詞もどちらかと言うとネガティブな動詞ですね。
まずは日本語訳をしてみましょうか。
2番目の例文です。
「トムは私の友だちであるふりをした」 「トムは私の友だちのふりをした」でもいいです。
「~のふりをする」ことと「友だちである」ことは、時間的には同時のようです。「~のふりをする」それから「友だちである」だとおかしいですね。不定詞の「未来イメージ」とは違う気がします。
「到達のto」という意味では、「友だちになる」という本来の願望に到達したと考えられますね。
このように(注意)するべき動詞は、きちんと説明がしづらいものです。その分、しっかりと覚えてください。
もう覚えちゃったとか、これらの動詞が不定詞を目的語にとることに違和感をもっていないという人は問題ありません。結局、そういうかたちで語彙を増やすことが大事だったりします。
究極的に言うとネイティブはそうしているのですからね。「理由なんかわからないけど正しく使える」のです。
「だから覚えろ」と言うのは指導者としてはどうかと思っています。特に理系の生徒はそれでは納得してくれません。彼ら彼女らは「やみくもな暗記」が大嫌いで、調べればすぐわかることを暗記することに価値を見出しません(それは理系の人間だけに限らないかもしれませんが)。
「こういう理由でこうなる」と自信をもって説明できるまで私はあきらめずにネイティブに問いかけ続け、理由を考えてもらいますよ。質問攻めにします。そして、いつか完全に説明できる日がくることを願っています。まずまず良いところまで来たとは自負していますが。