h-2に進みます。
butです。but?関係代名詞なの?と思った人もいるでしょう。まず例文を見てください。
butの前にbe動詞のある文、butの後にすぐ動詞がきてbutが主格の関係代名詞のように見えます。butが文と文をつなぐ接続詞の働きと主語の働きをしています。butがまさに主格の関係代名詞なんです。
気をつけたいのは、テキストに書いてありますが、「=」のあとです。thatがあり関係代名詞の働きはあるのですが、そのあとnotの意味が入るのです。これは大事なポイントです。ここがわかっていないと解けない問題が出てきます。あとで説明します。
まず日本語にしてみましょう。どうぞ。
but以下は否定的に訳していますか?
「母を愛さない人はいない」 hisやmanを直訳して「彼の母を愛さない男の人はいない」としても良いのですが、このときのmanは「一般的な人」という意味の方がしっくりきます。hisもmanの代名詞として便宜的に使っているだけですから特に訳さなくてもいいです。
さてこの問題はよく出題されるのですが、どういうところが引っかかりやすいのか説明します。
There is no man
( ) loves his mother.
①
which ➁ who ③ whom ④ but
このような問題です。もちろん答えは④ butなのですが、選択肢にwhoがあってそれを選んでしまう間違いです。
先行詞は人だし、( )の直後に動詞がきて主格だし、いいじゃないかと思う人が多く、引っかかりやすいのです。
何が間違っているかは、訳してみるとわかるので、(
)にwhoを入れた英文を訳してみましょうか。
訳してみても、あまり深く考えないとその間違いに気づかないかもしれません。
「母を愛する人はいない」 hisやmanを直訳して「彼の母を愛する男の人はいない」でもいいですが、最初の文の方が自然ですね。
訳してみてわかったでしょうか。この問題は文法的にどうとか言う以前に、文自体が正しくないから適切な答えではないというものです。「母を愛する人はいない」はちょっと言い過ぎで正しくないという解釈です。気をつけてください。
そして、これは私がよく授業で言うことですが、四択なんかでは「ひっかけは正解の前」にありますよ。「謎解きはディナーの〇〇〇」みたいで気に入っています。
なぜ「ひっかけは正解の前」にあるかというと、受験生がワナに引っかかる前に正解にたどりついてしまってはワナの意味がないからです。そういう問題作成者の意図まで考えられるようになったら、あなたは最強の受験生です。
問題作成者はそういうワナをしかけてきますから、私はときおり生徒に選択肢を逆から見た方が良いなんてことすら言います。選択肢を①、②、③、④と最初から順番に見ているとワナにかかるので、④、③、②、①の順で見ていくのです。
まぁ、最終的にはこのテキストでしっかり勉強して、ワナにかからない圧倒的な文法力を身につけてほしいというのが私の願いではありますけどね。