(a)の関係副詞whereからいきましょう。
2つあるうちの最初の例文からです。さっそく2文を1文にしてみましょう。Step1、Step2、Step3です。やってみてください。最後のStep3は3行くらい書きます。
Step1、2つの文の中の同じ人やモノに〇をつけます。
〇は2つの文でそれぞれ1つずつ、合計2つでしたね。今回はまったく同じ名詞が並んでいます。
両方の文のthe houseに〇をつけましたか? 最初の文はThis is the house.という文はSVCの第2文型です。S=Cですから主語である「This(これは)」と補語である「the house(家)」は同じモノです。
「よりあいまいな方(より説明が必要な方)に〇をつける」ですから、「the house(家)」の方がよりあいまいです。
Step2、2つ目の〇を関係代名詞に変えます。〇はモノですね。そして2つ目の文の中で〇(the house)は、前置詞の後で便宜的に「前置詞の目的語」でした。モノで目的格ですからwhichです。thatでもいいですが、前置詞を前に置く場合はthatじゃダメでしたね。
2つ目の〇、the houseを関係代名詞whichに変えておいてください。
Step3、「もう1つの〇の直後にStep2の関係代名詞をつける」です。
まず、1つ目の文を〇がくるまで書きます。
This is the house
それから、関係代名詞をつけましょう。
This is the house which
それから(注意3)、その後に2つ目の残りの文を続けます。
This is the house which Mike grew up in.
whichは目的格の関係代名詞ですから、省略可能です。このwhichはthatに置き換え可能です。これがStep3の1行目です。
2行目は、前置詞inを関係代名詞の前に置いてもよかったので、その文です。
This is the house in which Mike grew up.
ここで注意点です。先ほども言いましたが、前置詞を関係代名詞の前に置く場合、whichをthatにはできません。また、目的格でも省略はできませんよ。
3行目にはこう書いてもらいます。
in whichの代わりに関係副詞のwhereにしたものです。
This is the house where Mike grew up.
in which は前置詞+関係代名詞
関係代名詞は接続詞と代名詞の働きがあるので、
前置詞+関係代名詞
=前置詞+接続詞+代名詞 という関係が成り立ちます。
前置詞と名詞(代名詞)は副詞か形容詞の働きになるのでした。今回の2番目の文のin the houseのところは、一語で表すとthere、「そこで」という副詞です。「そこで育った」のように、動詞grew upを修飾(説明)しているので副詞です。ですから、前置詞と代名詞を副詞に置き換えました。
前置詞+関係代名詞
=前置詞+接続詞+代名詞
=接続詞+副詞
接続詞と代名詞の働きをもつのが関係代名詞なら、接続詞と副詞の働きをもつのが関係副詞です。だから最後は関係副詞と同じになります。全部まとめると、
前置詞+関係代名詞
=前置詞+接続詞+代名詞
=接続詞+副詞
=関係副詞 となるのでしたね。
今回の例文で言うと、2番目の文のthe houseという名詞を置き換えるなら関係代名詞、in the house(= there)という前置詞+名詞(= 副詞)を置き換えるなら関係副詞ということなんです。2文を意識すると簡単に理解できるかなと思います。
あとは、この後いくつか関係副詞が出てきますが、先行詞が場所ならwhereになります。
しかしここで気をつけたいのは、よく勘違いして先行詞が場所なら何でも関係副詞whereにすればいいと思ってしまう人が多いのです。
よく生徒に「前(先行詞)が場所ならwhereにしろって学校の先生が言ってた」と言われます。その授業を私が聞いていたわけではないので、真相はわかりません。話の前後がちゃんとあって正しい説明をしていたのに、そこだけ切り抜いて生徒が覚えてしまっているということもあるでしょう。ここで学んでいるみなさんは、しっかりと理解しておいてください。
先ほどStep3で書いた文の1行目と3行目です。見比べてください。
This is the house which Mike grew up in.
This is the house where Mike grew up.
どちらも関係詞がくるまでの前半部分はまったく同じです。そして関係詞の前、先行詞はhouseで場所です。
それでも関係詞は、whichの場合とwhereの場合があります。「前(先行詞)が場所ならwhereにしろ」ではダメですね。
「最後にinがあるかないかで判断すればいい」と思っている人は、そう人のための引っかけ問題もあります。問題作成者は、年がら年中そんなことばかり考えていますからね。薄い知識で何とか乗り越えようとしても向こうは見抜いています。
でも大丈夫です。私たちは、「前置詞+名詞=副詞」という式をもとに関係副詞を理解しています。だから間違えません。2文を意識することと今まで学んだ圧倒的な文法力を今こそ発揮することがポイントですよ。