c-3に進みましょう。形容詞の最上級にtheがつかないパターンです。比較級の時にこういうのが出題されるという話をしました。
比較級なのにtheがつく、最上級なのにtheがつかない。こういうのです。
副詞の最上級はtheがつかないこともあるという話はしました。形容詞でもあるんです。そういうパターンが。他との比較じゃなく、同じ人やモノの中での比較で補語になっているときです。
他者との比較であれば、「一番高い山」とか「一番足の速い人」というと、「あぁ、あれね」とか「あぁ、あの人ね」と限定されます。だからtheがつきます。
補語になっているときというのも、ある意味納得しやすいとは思うのですが、補語になる形容詞は「叙述用法」なんて言いますね。テキスト4ページの「④形容詞」で勉強しました。もう一つ、名詞を修飾(説明)するという働きが形容詞にはありました。これ「限定用法」と言いました。そちらの方が「限定」要素が強いのでしょうね。
例文が2つあります。一つは最上級にtheがついてなくて、もう一つは最上級にtheがついています。川は川でも同じ川の中での比較か、ある川と別の川との比較かでtheがつくかつかないか変わってしまいます。確認してみましょう。まず日本語訳してみましょうか。
2つとも日本語訳してください。
上の例文
「その川はこの地点が一番深い」
こちらは最上級にtheがついていません。同じ「川」の中でも上流、中流、下流、いろんな地点があるでしょう。その中で「ここが一番深い」ということです。これが他の川との比較じゃなく、同じ川の中での比較という意味です。
下の例文
「その川は日本のすべての川の中で一番深い」
こちらは最上級にtheがついています。「その川」と「日本のすべての川」を比べています。「1対複数の勝負」ですから最上級ですね。そして「一番~」なのですから限定されてtheがつくのも納得です。