(g)完了不定詞に進みましょう。
〈to have 過去分詞〉のカタチで、メインの動詞より昔のことを表します。
toの後は原形なので、過去を表したくても過去形を使うわけにいかないんです。そこで考えられたのが、完了不定詞です。〈to have 過去分詞〉のカタチで時間の差(「時制のズレ」と言います)を表すことにしたのです。
テキストに書いてあるように、<to + 動詞の原形>だと「時制のズレ」がないこと、<to + have + 過去分詞>だと「時制のズレ」があることを示しています。
具体的に次の四つの例文で確認してみましょう。
=の右側を数学っぽく右辺としましょうか。右辺を見てください。
一番目と三番目が<to + 動詞の原形>です。二番目と四番目が<to + have + 過去分詞>になっていますね。
右辺のメインの動詞の時制はどうでしょう。(be助動詞が時制を表していますね)
一番目と二番目がisで現在形です。三番目と四番目がwasで過去形です。
左辺を見てください。
一番目のメインの(助)動詞がisで現在形、thatの中の動詞がisで現在形です。三番目のメインの(助)動詞がwasで過去形、thatの中の動詞がwasで過去形です。まったく同じ時制です。
右辺では、一番目と三番目が<to + 動詞の原形>だったので、「時制のズレ」がないことが確認できます。
一方、左辺において、二番目のメインの(助)動詞がisで現在形、thatの中の動詞がwasで過去形です。四番目のメインの(助)動詞がwasで過去形、thatの中の動詞がhad beenで過去完了形です。時制がズレているのがわかりますか。
右辺では、二番目と四番目が<to + have + 過去分詞>だったので、「時制のズレ」があることがわかると思います。
つまり<to + have + 過去分詞>が、メインの動詞より昔のことを表そうとしているのです。