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2022年4月13日水曜日

仮定法(3)(a) 仮定法過去②

 

2番目の例文にいきましょう。日本語訳どうぞ。

 

 

 

 

仮定法の場合、be動詞はwereを使います。Iでもwereなので、仮定法のサインになります。会話等ではwasも使います。あとで紹介します。

 

 

 

 

「もし私が鳥なら、私はあなたのところに飛んでいくだろうに」

 

完全にありえない「the仮定法」の例文です。確かに鳥なら「あなた」のところに飛んで行けますが、「あなた」のところに着いても話せませんよ、鳥なんで。と、いうようなことは言ってはいけません。例えなのでね。

 

=の文を見てください。仮定法過去は、あくまでも現在の事実と反対のことを仮定しているので、実際は真逆でしたね。

 

実際には「私は鳥ではない、だから私はあなたのところに飛んでいけないだろう」です。当たり前です。

 

仮定法だとロマンチックな文ですが、普通の文だと直接的すぎて言わなくてもいい文になってしまいます。

 

このあたりが、詩などで仮定法が使われる理由です。かたちを過去にして、時制をずらすことで現在から距離をおき遠回しに表現することで直接的な物言いを避ける効果があるのです。

 

助動詞のところで勉強したWould you~?やCould you~?も同じです。遠回しの表現で丁寧さを出しています(逆に距離をおくので、親しい人に使うと他人行儀のような変な感じがします)。

 

ここで、一つ仮定法を使った歌詞を紹介します。

 

Eric Clapton Tears In Heaven という歌です。聞いたことがある人もいるかと思います。知らない人も曲を聞けば、あぁ聞いたことあるとなるでしょう。

 

エリック・クラプトンは、その名を知らぬ人はいないレベルの大御所で、日本で言えば桑田佳祐みたいな人です。

 

この歌の一節に仮定法が使われています。主節が疑問文なので、最後は「?」がついています。

 

Would you know my name if I saw you in heaven?

 

「もし私があなたに天国で会えたら、あなたは私の名前を知っているのだろうか」

「きみは僕の名前を覚えていてくれるかなぁ、もし僕が君に天国で出会えたなら」

 

この「I」は、エリック・クラプトン本人で、「you」というのが4歳で亡くなってしまったエリック・クラプトンの息子さんだと言われています。

 

この後にこう続きます。

 

Would it be the same if I saw you in heaven?

 

「もし私があなたに天国で会えたら、同じままだろうか」

「変わらずにいてくれるかなぁ、もし僕が君に天国で出会えたなら」

 

仮定法は、時制をずらすことで現在から距離をおき遠回しに表現します。そして、それは天国と現実世界の距離感を出しています。その距離感はそのまま、「私」と「あなた」の距離感です。寂しさがいっそうつのって、こちらに伝わってきます。

 

他にもいくつか仮定法が繰り返されます。調べてみるといいですよ。