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2021年6月2日水曜日

英語で平均点を突破したい高校生へ(9)

前回の英語で平均点を突破したい高校生へ(8)では、「歩き回りながら、発音しながら覚える」そして「寝る直前の記憶力が高まる時間帯に覚える」という方法を紹介しました。


そうは言っても、何度やっても覚えられない英単語があるというのは、よくある話です。


私も、「勤勉な」という意味の diligent という単語が何度やっても覚えられず苦労しました。「大喜び」という意味の delight と似ていてごちゃごちゃになるのが原因でした。


しかし授業で、diligent が覚えられない、覚えづらいと毎回毎回言っていたら、気づけば覚えていました。


この方法は、学生は使えない方法です(友だちや家族にある英単語を毎回毎回覚えられない、覚えづらいと言えばいいのですが、はぁ?みたいな顔されるのでやめた方が良いです)ので参考にはならないでしょうね。別の方法を紹介します。


一番のおススメは、これです。


・英語ができる人に覚えづらい単語ピンポイントの覚え方を聞く。


覚え方を聞く「英語ができる人」というのは、先生ではなく友だちの方が良いです。


英語の得意な友だちがどのように自分の覚えられない英単語を覚えているのかを聞くのです。


「どうやって英単語覚えているの?」というざっくりした質問より、具体的な一つの英単語の覚え方ですから相手も答えやすいはずです。


diligent ってどうやって覚えてる?」と友だちに聞くのです。


そうすると、友だちはダジャレで覚えていて、その覚え方を教えてくれるかもしれませんし、良い例文を紹介してくれるかもしれませんし、何か他の良い方法を教えてくれるかもしれません。


実は、覚え方なんてどうでも良いのです。


ここで一番大事なことは、「あなたが英単語を覚えるために自発的に行動したこと」なのです。覚えられない英単語を何とか覚えようとした結果、友だちに聞いたのですから。


つまり、やる気があるのです。


やる気がある人間には、何を言ってもスポンジが水を吸収するように記憶に定着するものです。


以前こういうことがありました。


私はある生徒にある英単語の覚え方を授業で指導しました。


何ヶ月かして、その生徒はその英単語をようやく覚えられたと言うのです。聞くと、クラスの英語が得意な友だちに覚え方を教えてもらったと言うのです。


どういう覚え方なのか聞くと私の指導した覚え方と全く同じだったのです。その生徒本人は、私が教えたことを覚えていない様子でした。


私はここで、その生徒が私の授業で集中していないとか、やる気がないとか言うつもりはありません。どんなカタチであれ覚えづらい英単語を覚えられたことを良しとします。


その上で、やはり積極的に自ら覚え方を友だちに聞いたその生徒の行動力、積極性、やる気がこの結果を導いたと確信しました。


授業は、どうしても「先生が話す」「生徒は聞く」というスタイルになりがちです。生徒の授業態度は、どうしても受け身になりがちなのです。


そのような姿勢で、ある英単語の覚え方を教わっても記憶に定着しない可能性は高いのです。


それよりも、自ら友だちに聞きに行く場合は、いわゆる「聞く耳」を持って質問するので、相手の言うことをすんなり受け入れられるのです。


私はこのことがあって以来、生徒が授業中、積極的に能動的に行動できる仕掛けを考えるようになりました。


それが、私の英文法参考書と演習問題、確認テスト、オリジナルの英単語テストの組み合わせになっていきました。