私が英語の指導を始めた頃の参考書には、「〜に」ならto、「〜のために」ならforなどと書いてありました。
2番目の例文で確認してみましょう。
「私の父は私のためにケーキを買った」
「私の父は私にケーキを買った」
どちらが良いか区別できますか?
どちらも日本語として成立していますし、使いますね。つまり、この説明では、toかforか選べないということです。
今でこそ、私の説明はスタンダードになっていますが、昔はこんな説明がまかり通っていました。
著名な大学教授でさえ、この程度の説明です。周囲の人間も疑問に思わなかったのですかね?
みなさんは一所懸命勉強して、偉くなっても努力して謙虚に生きてください。私も気をつけます。
今でもgive型の動詞、buy型の動詞とか言って、生徒に暗記を強いる先生がいらっしゃったら、みなさんはその説明を聞き流して結構です。
ネイティブに聞くと、toの方が”direct”(直接的)で、forの方が”indirect “(間接的)だと言っていました。
なるほど、ケーキをあげたら、ケーキは「直接」私のところに届きますね。
一方、ケーキを買うと、そこから運んで、あげる前に一旦冷蔵庫に入れて、それからようやく私のところにケーキが届きます。間にいろいろな動作をはさむので「間接的」ですね。
最後に3番目の例文です。
この動詞askはtoでもforでもなくofです。
これは日常会話でもよく使うので、暗記して使いましょう。
ちなみにinquireもaskと同じ意味なので、ofがきます。askの下に、= inquireと書いておいてください。