前回の英語で平均点を突破したい高校生へ(4)では、英単語暗記の方法のお話をしました。
最初は、王道の「書いて覚える」についてでした。
最近の研究では、英単語を書くよりも、テストして覚えたかどうかの確認をした方が効果があると言われています。
英単語を書いて覚えようとした人は経験があると思いますが、10回ずつ書けという宿題が出た時、3回目を過ぎたあたりから惰性で英単語を書いていることはありませんでしたか。
10回書くことが目的で、頭の中は無の境地、単語一つ書くたびに英単語を発音するのではなく、何回書いたかをカウントするだけならその英単語を覚えるのは不可能ですよね。
漢字練習でも同じ経験をした人は多いと思います。
また、これも誰もが一度は経験したことのあることでしょう。生徒が書いた英単語の練習ノートを見てるとすぐわかります。最初の1回目、2回目くらいの英単語は良いのですが、3回目くらいで英単語のスペリングをミスし出します。
生徒は、いちいち正しい英単語を見て書くのではなく、自分が書いた前の単語を見て次の単語を書きます。つまり、ミスした3回目を見ながら4回目を書くのです。
当然、スペリングミスです。5回目もミスした4回目を見て書くので、またミスになります。
こうして書いた10回の英単語ノートに何の意味があるでしょう。
「英単語は書いても覚えられない」という説が正しいことを祈るのみです。
今回の英単語の覚え方はこれです。
・イメージで覚える。
英単語を書いて覚えたい人も見ながら覚える人も、その英単語を覚える時に頭の中でイメージして暗記の助けにしていることでしょう。
しかし、品詞によってはイメージしやすさ、覚えやすさに差があります。
名詞(モノの名前)であれば、たいていは具体的なモノがあるので、そのモノのイメージが頭の中に浮かび、英単語と結びつきやすいでしょう。
これが同じ名詞でも、抽象的な名詞は具体的なモノではなく概念だったりするので、イメージがわかないこともあります。
例えば、「美徳」という意味のvirtueやその対義語「悪徳」という意味のviceです。
普段日本語でもあまり使わないので、イメージしづらいということもあります。その英単語の意味が実生活で使うかどうかも暗記に影響を与えます。要は言葉自体が難しい時、英語にしてもあまりピンときませんよね。
何のイメージもわかず、あまり使わず暗記の助けにならないので仕方ありません。virtue and vice「美徳と悪徳」とセットで一気に覚えましょうか。
動詞(動作を表すことば)もイメージできるものとできないものがあります。
歩くとか走るとかいう実際の動きがあればイメージしやすいですね。
逆に動きの無い頭の中のことは、イメージしづらいです。
例えば、「理解する」という意味のcomprehendです。understandだけで良いじゃんという想いも相まって、覚える気力もわかないようです。
ここはcomprehend=understandと力技でいきましょうか。
理解力テストのことをcomprehension testというのを聞いたことや見たことがありますか。その辺からcomprehend 「理解する」と覚えるのも手ですね。
comprehension というのは、動詞 comprehendの派生語で名詞です。
派生語について、次回お話しします。