前回の英語で平均点を突破したい高校生へ(10)では、なかなか覚えられない英単語を
「今日こそ、この英単語を覚えてやる」という強い覚悟で、その英単語の書かれた紙を風呂場に持ち込み覚えるという方法です。
家族に「お風呂で英単語を覚える」と宣言することで、自分にもプレッシャーをかけることができ、家族も安心するというお話もしました。
この「英語で平均点を突破したい高校生へ」シリーズも回を重ねてきましたが、ふと気になったことがあります。
「平均点を突破する」という部分です。
大学受験において、平均点を突破することがいかに難しいことか理解していない人が多いような気がしています。
平均点というのは、偏差値でいうとちょうど50ですね。
この偏差値というのがクセモノで、混乱を招く原因になるのです。
偏差値とは、テストの平均点を偏差値50として、その平均点からどれくらい離れているかを表した数値です。
ある人のテストの点数が平均点より上ならば偏差値は50以上、平均点より下ならば偏差値50以下ということになります。
平均点が低い難しいテストで高得点を取ると偏差値が高くなります。しかし、平均点が高い簡単なテストで高得点を取っても偏差値は高くはなりません。
平均点近辺に多くの受験者がいて、満点に向かって、また0点に向かって受験者が減るようなテストでは、偏差値が20から80の間に全受験者の約99%が含まれると言われています。
平均点だけではなく、そのテストの受験者の得点の「散らばり方の度合い」(標準偏差と言います)も偏差値に影響します。
例えば、全員の得点が平均点の近くに集まっているようなテストがあるとします。
受験者の実力が拮抗しているような状態です。全員の得点が同じような点数で「散らばり方の度合い」が小さい時です。
このようなテストでは偏差値が低くなりすぎることもりませんが、高くもなりません。受験者数が少ない(母集団が少ない)テストでよく見られる傾向があります。
一方で「散らばり方の度合い」が大きいテストというのは、0点から満点までまんべんなく受験者がいるようなテストです。
このようなテストでは得点が高いと偏差値も極端に高くなり、得点が低いと極端に低くなります。
つまり、どのような受験者がどのくらいの人数そのテストを受けるのかによって偏差値は変わってしまうのです。
こう見ていくと、高校受験の偏差値と大学受験の偏差値は比較できないのがわかると思います。
ほとんどの中学生が高校へ進学する現在の状況で出された偏差値と高校生の2人に1人が大学へ進学する現状での偏差値は、受験者(母集団)が違うので一概に比較することができないのです。
同じ偏差値50でも高校受験の偏差値50と大学受験の偏差値50では意味合いが違うということです。
高校受験の偏差値50が、高校へ進学しようとする中学生(その世代のほとんど)の平均です。
一方、大学受験の偏差値50は、大学へ進学しようと準備している高校生(その世代の約半数、成績上位者が比較的多い)の中の平均点なのです。
だから大学受験で偏差値50を取る方が大変なのです。
中学生の受けるテストの平均点とは、将来的に大学に行く中学生も、大学に行かない中学生も受けた結果を反映した平均点なのです。
しかし、高校生の受けるテストの平均点とは、将来的に大学を受験する人の間で出された平均点です。
毎年1月に行われる大学入学共通テスト(旧センター試験)は、基本的には大学を受ける人が受験するテストですから、平均点を取るのが容易ではないのです。
逆に言えば、現在全国規模の模試などで平均点を突破している高校生は、頑張っていますね。志望校合格目指して、今以上に努力しましょう。
平均点突破を目指している高校生は、それがどれだけ大変なことかわかったと思います。とても難しいことにチャレンジしているのですから、あきらめずに継続しましょう。
実は平均点突破を目指す層の人数はとても多いので、なおさら大変なんです。でも、ここを突破すると一気に上昇できるのです。
信じて頑張ってみませんか?