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2021年6月6日日曜日

英語で平均点を突破したい高校生へ(13)

前回の英語で平均点を突破したい高校生へ(12)では、英語の学習にはさまざまな要素が複雑に関係しているというお話をしました。


例として、リスニングは「聞く」という勉強方法以外にも、英単語を勉強したり、英文法、長文読解、映画やドラマを見て英語圏の文化や習慣を学んだりすることも役に立つというお話もしました。


逆に、リスニングの勉強として英語を聞くことで長文読解に役立ったり、英単語を覚えることができたりすることもあります。


もっと言うと、相互に役立つ教材を紹介して勉強方法を指導することが、私の仕事です。


生徒を指導していると、どの分野が弱いかよくわかります。各分野のバランスがとれていると成績は上がります。そのバランスが崩れていると、成績が低迷します。


このバランスを見ながら、必要な指導をしていくのが私のやり方です。


何でもかんでも勉強すれば良いという話ではありません。しかし、効率よく勉強しなさいと言うのは簡単ですが、本当に効率がいいかどうかを見極めるにはプロの目が必要だと自負しています。


特に英語で平均点を突破できずに低迷している高校生は、「勉強しているのに成績が上がらない」という悩みを抱えています。


このケースでは、確実にバランスが崩れています。


単語力なのか、文法力なのか、読解力なのか、どこかがアンバランスなのです。


リスニングの力かもしれません。そもそも日本語力に問題があるケースもあります。


前述したように、いろいろな要素が複雑に関係しているので、さまざまな勉強方法でバランスを取り戻していきます。


ここまで読んできた方ならば、お分かりになると思いますが、単語力がないからといって単語だけを勉強するのでは、成績アップは望めません。


複雑にからみ合うそれぞれの力をうまくコントロールすることでバランスがとれ、成績が上がります。そのコントロールが難しくもあり、楽しいものです。


それは、今までの経験やデータ、知識を踏まえて絶妙な仕事をする職人の技、芸術ではないかと思っています。


以前、こんなことがありました。


私は普段から「これをやれば、共通テスト換算点(旧センター試験換算点)167点までは取れる」というような言い方をします。


前回述べたように、大学受験を目指す高校生を指導するときには、大学入学共通テスト(旧大学入試センター試験)の点数や偏差値を指標にします。


しかも、本番のテストでは何点になるかという換算点を重要視します。模試の実際の点数では、模試の難易度がばらばらなので比較することができないからです。


ある日、生徒がエレベーターの中で話しかけてきました。


「先生、英語の成績が上がりました」


「おぉ、良いねぇ。換算点何点だった?」


167点です」


「な、言ったろ」


「何でわかるんですか?」


その生徒は、いつも授業で私の言っている点数ぴったりだったので、驚いた様子でした。


私にとっては当然の結果です。このオリジナル参考書で指導して、演習問題、宿題をこなし、オリジナル英単語をいくつまでこなせば、何点になるかは物理の公式のようなものです。変数を式に入れれば、きれいに答えが出ます。


この生徒のように与えられた課題をしっかりこなせば、予定通りの点数が得られます。


そうでなければ、予定の上限には到達しません。


実は、授業の様子や英単語テストの結果、宿題の進捗状況を考慮に入れるとどのくらいの点数になるか分かります。


生徒本人には直接言いませんが、テストを受ける前に点数はだいたいわかります


だから、本当はテストなんて受けなくても良いですけどね。生徒本人にとっては、テスト慣れとか現実を目で見て知るためとか、いろいろな要因があって受けてもらいますが。